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引っ越し費用は3月と6月でウン万円も違う!差額で「極上の引っ越しそば」を作って食べた

お金 2018/6/22
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引っ越し業界は春先がオンシーズン。とりわけ、3~4月が最も忙しいと聞く。それゆえ、3~4月とそれ以外の月とでは引っ越し代にもかなりの差が生じるようだ。春にどうしても動かざるを得ない事情がないなら、時期をずらしたほうが賢明だろう。

そのぶん、浮いたお金を有意義に使えるし、べつに有意義じゃないけど「普段はできない贅沢」につぎ込むこともできる。

では、実際のところ繁忙期と閑散期の引っ越し代はどれくらい差があるのか? そして、その差額でどんなことができるのか? 検証してみた。

引っ越しの申し子に聞く、「引っ越し料金のアレコレ」

まずは引っ越し料金にまつわるアレコレについて、アップル引越センターの文字放想(もんじ・ゆきお)代表にうかがってみよう。
あっぷる引越センター 文字さん ▲文字社長。14歳で引っ越しのアルバイトを始め、21歳で引っ越し会社を立ち上げた、まさに引っ越しの申し子
【アップル引越センターとは?】創業12年。年間2万件近くの引っ越しを手掛ける、業界の中堅。自社メディア「りんごりくんの引越し総研」では一般にはよく分からない「引っ越し料金」の秘密について、いろいろぶっちゃけている。そんなにぶっちゃけて大丈夫なの? 業界のドンに消されない? と、心配になってしまうくらいあけすけである。

最繁忙期は3月下旬の土曜日

―― 今回は「繁忙期と閑散期の引っ越し代はどれくらい違うか」について教えていただきたいのですが、そもそも引っ越し屋さんが最も忙しい時期(=最も料金が高い時期)っていつなんでしょうか?

文字さん「3月20日から4月5日くらいまで、小学校の入学式前の土日あたりが最繁忙期ですね。特に、土曜の午前便は最も混雑します」

―― では、逆に一番暇な時期は?

文字さん「正直、3月と4月だけが極端に忙しくて、それ以外の月はあまり変わらないんですよ。ですから、一年のうち特別に暇な月っていうのはありません。ただ、どの月も上旬~中旬の火・水・木曜は比較的空いていて、料金も安いことが多いです」

―― よく、企業の異動シーズンにあたる9月、10月あたりも引っ越しが多いと聞くんですが?

文字さん「いえ、そこも普段と大差ないですね。多少は増えますが、春先の忙しさとは比べものになりません。ですから、3月と4月以外であれば、どの時期に引っ越してもあまり料金は変わらないと思います」
あっぷる引越センター 文字さん ▲ハッキリ答えてくれるので頼もしい

最繁忙期は閑散期より2~2.5倍も高い

―― 本題なのですが、最繁忙期と閑散期ではズバリどれくらい料金が変わるんでしょうか?

文字さん「会社によりけりですが、だいたい2倍から2.5倍くらいの差額だと思います。うちで2.5倍くらい。なかには、もっと高く設定しているところもありますけどね……」

―― そんなに……。けっこう露骨に高いですね

文字さん「たとえばハワイ旅行だって、需要が集中する正月休みや夏休みとオフシーズンの平日とでは全く料金が違いますよね。同じように、引っ越しもピークがわずかな期間に集中するため、どうしてもグッと高くなってしまうんです。特に、引っ越し会社は『オフシーズンは赤字でも、ピーク時にがっちり儲けて補填する』というビジネスモデルになっていて、なかには3月と4月しか利益が出ないという会社もあります」

―― なるほど。引っ越し屋さんにとって、3月、4月は「社運をかけるくらいの稼ぎ時」だったんですね……

文字さん「そう。ですから暇な時期の料金相場で一年間やっていたら経営が成り立たない。繁忙期だから不当な料金なのではなくて、私たち業者サイドからすると、むしろ閑散期が安すぎるという見解ですね」

―― でも、それなら閑散期の料金をちょっと上げて、全体的に売り上げをフラットにすればいいのでは?

文字さん「そうはいっても、閑散期の価格競争は熾烈ですから。どの業者もトラックを遊ばせておくよりはマシと、ギリギリまで値下げしてお客さんを確保し、売り上げを立てたいと考えているんです。なので、極端にいえば忙しい会社ほど高くなり、暇な会社ほど安くなります」
統計 ▲月別の人口移動数を見ると、やはり3月と4月がダントツに多い(総務省「住民基本台帳」より)

単身者の引っ越しで、繁忙期と閑散期の差額を算出

さて、引っ越し業界のシビアな現状と料金変動の仕組みが分かったところで、一人暮らしを想定し、一般的な単身者の引っ越しをモデルケースに、繁忙期と閑散期の差額を具体的に算出してもらおう。

なお、引っ越しの条件は以下の通り。
引っ越し プロフィール
―― この条件の場合、最繁忙期と閑散期の料金はそれぞれいくらになりますか?

文字さん「あくまで概算ですが、最繁忙期の土曜、単身者のご利用が多い午後のフリー便で約5~6万円といったところです。閑散期は、たとえば6月上旬の同じく土曜午後のフリー便ですと約3万円といった費用感になります」

すなわち、最低でも2万円からの差額が生じるわけか。これは聞いておいてよかった。どうしてもそこに目がけて引っ越さないといけない事情がないのであれば、3月4月は避けたほうがよさそうだ。
あっぷる引越センター 文字さん ▲文字さん、ありがとうございました!

引っ越し料金の差額で「極上の引っ越しそば」を食べよう

というわけで、今が6月(執筆時点)だから、来年の3月まで向こう9カ月は安く引っ越すチャンスがあるわけだ。つまりそれは、繁忙期に引っ越した人より2万円ぶんのアドバンテージを得て、新生活をスタートできるということである。

2万円といったらアレだ、銀座で回らない寿司が食える金額だ。つまり、そこそこいいお金。寿司もいいが、せっかくなら新たな暮らしを晴れがましい気分で迎えられるような、会心の消費をしたい。

たとえば、
引っ越しそば
なんてどうだろう。金に糸目をつけず高級素材を選抜した、最高に贅沢な引っ越しそばで己の門出を祝うのだ。いい景気づけになり、新生活にもスコーンと弾みがつくはずだ。

※ちなみに、引っ越しそばは自分で食べるのではなく近所に配るものらしいですが、実際には食べちゃってる人のほうが多いと思うので許してください。

極上の素材を買い集める

築地 市場
そうと決まったら、さっそく極上の素材を買い集めていこう。

まずはこの世のあらゆる最高食材が集うといわれる「築地市場」へやってきた。
市場 わさび
こちらは場内市場にある「八百金」さんの本わさび。品種を聞いても良し悪しが分からないので、一番高価なものを購入した。憧れの「この店で一番高いわさびをください」、というやつだ(ちなみに、中伊豆産の「真妻わさび」だそう)。お店の大将も、どこのおぼっちゃんが来たのかと思っただろう。
市場 鰹節
さらに、鰹節の老舗でも「この店で一番高いかつおぶしを……」
市場 昆布
そして、豊富な乾物を取り揃える場外市場の専門店でも「この店で最高の昆布を……」をやった。「おぼっちゃん買いのマサ」として、築地に伝説を残してしまったかもしれない(※筆者の名前はマサではありません)。
三越
続いては、そば、そして調味料を買うため「日本橋三越」にやってきた。日本最高峰の百貨店である。
三越 地下 食品売り場
こちらは地下の食品売り場「味匠庵」さん。全国各地から厳選した美味を販売している。厳選しただけあって、どれもこれもそれなりに(いつも僕が使っているものより)お高い。
醤油
たとえば、こちらの醤油たち。向かって左の「紀州湯浅たまりしょうゆ」は300mlで1242円、右の「湯浅醤油 生一本黒豆」は200mlで1000円である。なお、味匠庵で最も高い醤油だ。
そば
そばは信州戸隠産の「生本十割そば」。220gで578円。

あの三越でそばを買う。人生のステップを何段階かすっとばし、いきなり定年富裕層のステージに到達した気分だ。
三越 買い物袋
ほかにもいろいろ買った。パンパンにふくらんだ三越の袋は、まさに富の象徴である。
根津 松本
せっかくなので、そばに天ぷらも添えてしまおうということで、超一流の魚屋として名高い「根津 松本」さんへ。最高の目利きが選んだ最高の車エビを4尾購入した。
そば 材料
というわけで、極上の引っ越しそばのための、極上素材がそろった。できればこれらを極上の味に昇華してくれる極上の料理人でも招きたいところだが、それはさすがに予算オーバー。したがって、今回は筆者が作る。なお当方、料理の腕前は小学校の家庭科レベルである。素材はすべて一級品、しかし、それを扱う私だけが凡庸という悲劇である。

でも、いっしょうけんめいがんばります!
だし
まずは最高級の利尻昆布とたっぷり鰹上節でダシをとる。さらに、「紀州湯浅たまりしょうゆ」と「湯浅醤油 生一本黒豆」でかえしを作り、ダシと合わせればつゆの完成。
そば
続いて戸隠そばを茹でる。湯の量、茹で時間をきっちり守ったら、ちゃんときれいなそばができた。
卵 烏骨鶏
ちなみに天ぷら粉に使用するこちらの卵は……
卵 烏骨鶏
あの「烏骨鶏」である。『美味しんぼ』至高のメニューとして提供されたこともある、あのウコッケー様なのである。それを天ぷらの衣に使ってしまおうというのだ。海原先生に土下座してお詫びしたい。
卵かけごはん
しかし、さすがに罰当たりなので、余った烏骨鶏様は卵かけご飯でいただきました。うまいなんてもんじゃなかったです。
車エビ てんぷら
車エビも無事カラっと揚がって……
そば
ついに完成! 総額1万6843円を投じた「極上の引っ越しそば」である。

食べますよ!

いざ、心して実食!
そば 実食
そば 実食
ずるっ、ずるずる~
そば 実食
サクッ
そば 実食
うまい!!
そば 完食
気づけば皿はからっぽ……「秒」でたいらげてしまった。

味はもう、言うまでもなく最高にうまいし、それに何よりとても気分がいい。こんなにいいそばを自宅で食べているのは、私か中尾彬くらいのものだろう。

これからの人生、なにか辛いことや落ち込むことがあっても「1万6843円の引っ越しそばを食った」という経験が私の自信になり、励みになってくれるに違いない。
温そば
翌日はだしと返しの配合を変えて「温かいそば」も作った。
温そば
こちらは妻にも食べてもらった。

筆者:どう、おいしい?

妻:つゆがちょっと薄いね。あと、そばがゆるい。茹で時間、間違えてない?

このように、妻も「世界一うまい」と申しております。

超満足しました

……ともあれ、(温そばはちょっと失敗しましたが)極上の引っ越しそばを存分に堪能した。1万6843円に見合う味かどうかは分からないが、こんなに満足度の高いお金の使い方はひさしぶりだ。心を豊かにする消費、とでもいおうか。

別に引っ越しそばじゃなくても、友達を呼べるだけ呼んで引っ越しパーティーをするのもいいし、プロにインテリアコーディネートのアドバイスを仰ぎ、新居をかっこよく演出するのもアリではないだろうか。あるいは、超高価な調味料や最高の包丁を買ったりするのもよさそうだ。きっと、自炊モチベーションが上がるだろう。

みなさんも引っ越すなら、オフシーズンを利用し浮いたお金で「特別な体験」をしてみてはいかがだろうか?

※本文中の情報・金額等は2018年5月26日時点のものです。

取材・執筆:榎並紀行(やじろべえ)
取材協力:アップル引越センター
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