• twitter
  • facebook
  • instagram

【新入生・新社会人向け】大島てるが伝える「はじめての家選び」(前編)

知識 2018/11/9
  • twitter
  • line
  • facebook
  • はてブ


来春、新入生、新社会人として新たな土地でスタートを切る予定の方の中には、進路が決まった人も、これからの人もいるかもしれません。同時に、来たる初めての一人暮らしに、今から胸を躍らせている人も多いのではないでしょうか。

とはいえ、マイナビ賃貸が独自に調べた「お部屋探し白書」によると、新入生や新社会人が進学、就職に伴い家を探す際に、「問い合わせから契約にかかった時間」について3割以上の人が「1~3日」と回答しており、進路が決定した後あわただしく家を探しているという実情がうかがえます。

時間や予算の制約がある中、少しでも条件の良い部屋を見つけたいと誰もが思うはずですが、初めての部屋探しはなにかと戸惑うことも多いもの。

特に最近、殺人、自殺、火災、孤独死などの心理的瑕疵、精神的瑕疵を伴う、いわゆる「事故物件」が注目されています。短期間で家を借りる決断をしなくてはならない新入生・新社会人が、意に沿わぬかたちでこれらの事故物件に住んでしまうこともないとは言い切れません。

そこで今回は、『事故物件公示サイト 大島てる』を運営する大島てる氏に、事故物件を避け、より納得のいく部屋・建物を選ぶためのアドバイスをいただきました。今回は前後編に分けてお送りします 。

新入生・新社会人からの「大島てる」への反応

――MOOOM編集部:今回は主に新入生・新社会人の方を対象に、「部屋選びの際にいかに事故物件を避けるか」という点をメインに、また予算の関係から「安くなっている事故物件にあえて住む」という選択肢はあり得るのかといったことをおうかがいできればと思います。

まず、大島さんの活動に対する、新入生・新社会人からの反応はどんなものでしょうか。


てる「例えば、平成27年に出た『事故物件サイト・大島てるの絶対に借りてはいけない物件』へのアマゾンレビューには、親御さんからの『子供の部屋探しで目にした用語の謎がとけた』『大学入学する子供の入居場所を選ぶためには必要性を感じました』というものがあります」
『事故物件サイト・大島てるの絶対に借りてはいけない物件』
――親御さんからのリアルな声が届いているのですね。

「そうですね。まさに大学入学時の部屋探しの参考書として使われているわけです。 『事故物件って安いんでしょう?』『安いなら得だ』と言う人もいますが、親がカネを出し、だから口も出すというケースは多いです。新入生自身が『事故物件なんて平気』と言っても、周囲が嫌がるのです」

事故物件はあえて価格を安くせず、「隠されている」ケースも

――親が学習をして、いろいろアドバイスをするわけですね。当社が調査したところで新入生は、実際、親や親戚が主体となってお部屋探しをするのが70%、また最終決定を親・親戚がしたという人が35%いるんです。数としては多いので、影響力の高さもうかがえますね。
大島てるが伝える「はじめての家選び」_画像

「はい。親と一緒に内見するのは当たり前で、親だけで内見というパターンさえあるくらいですから。したがって、全体で見るとやはり事故物件は嫌がられていると言うほかありませんし、大家さんが家賃を下げたりリフォームするなどして訴求ポイントを作ろうとするのも理解できます。そうしてやっと、『その条件なら入居してもいいな』と考えてもらえるわけです。

しかし、より重要なのは、事故物件だということが隠されて、家賃が全く安くなってない物件があるという点です。『安くしなければ事故物件であることがバレないだろう』という判断です。幽霊の存在なんて信じないという人でも、こんなことをされたら怒るのではないでしょうか」

瑕疵物件にあわないようにあらためて重要な「内見」について

――なるほど。その状況は、入居者としては避けたいですね。それでは具体的にお聞きしたいのですが、現在、学生は内見を行わないで決めるというケースも少なくありません。その場合『物件の内見を行わない人が事故物件を当てがわれやすい』ということはあったりするのでしょうか。

「あくまでも印象論ですが、内見を省略してしまうと、営業担当者に対して、『この客は面倒事を嫌がるから、少しくらいズルしても泣き寝入りしてくれるはず』などといった誤ったメッセージを発してしまう可能性はあるでしょうね」

――内見をしないことで、その人が甘く値踏みされてしまう可能性があるということですね。

「そのとおりです。そもそも私が事故物件にこだわっているのは、事故物件情報を隠すか隠さないかで、業者がうそつきかどうかがハッキリするからです。

『一事が万事』と言いますが、一つのことでうそをつくようなヤツは他のことでもうそをつくのです。

『自殺については教えてくれなかったけれども、全体的には良い業者』などということはあり得ないのです。これは論理の飛躍ではありませんし、幽霊に興味がない皆さんに対して私が一番言いたいことです。

――なるほど。最近のトレンドとしては、店舗に来なくても大丈夫です、VR機能で360度内見ができます、といったように実際の物件をみなくても家を決められるような方向性にテクノロジーが進化していますよね。その件に関してはいかがでしょうか。

「技術進歩により、例えばスマートフォンで室内を360度見られて、部屋選びができるようになってきているといったことは、非常に便利で、ありがたいことです。特に遠方からの内見には多額の交通費がかかりますからね。

ちなみに、私が関心を持っているのは『ニオイ』です。ニオイはまだバーチャル内見では確認できません。さすがに死臭が残ったまま入居者を募集している物件はないはずですが(笑)。

『現場百遍』と言いますが、現地に足を運ぶことで、例えば水回りがカビ臭いだとか、マンション1階の飲食店のニオイがキツいなどといったことがよくわかるのです。ニオイについては未来のテクノロジーに期待大です」

「事故物件」と「匂い」とその程度について

――事故物件にもいろいろ程度があり、それぞれシチュエーションが違うと思うのですが、匂いで「その部屋で何かあった」ということを感じることもありますか?
大島てるが伝える「はじめての家選び」_画像

「もちろんです。死臭は強烈ですから。団地の一室での孤独死など、フロア全体が臭くなり、現場が何号室なのかなかなかわからないというケースもあるほどです。一人暮らしをしていて自室で亡くなると、すぐには気づかれず、遺体の腐敗臭でやっと発覚というパターンも多いです」

――今後のテクノロジーの進化で、スマートフォンで部屋を検索して、ここはいいな、と思って時間のない中で、家賃と広さと周辺環境、築年数で決める。流れとしてはそういうこともあるだろうし、それは今後も強まっていくだろうというご見解ですね。

しかし、匂いを感じるのは今のところテクノロジー的には無理だと。つまりそこをポイントに内見するというのが、新入生・新社会人にとってはおすすめの方法ということでしょうか。


「そのとおりです。逆に言えば、ニオイを嗅ぎに行くことくらいにしかもはやリアル内見の必要性はないと言えるのかもしれません。騒音なんかは中継できますし」

「事故物件」を「リフォームの有無」以外で確認する方法


――五感で感じられるものが内見にはあるということで、実際の内見時の注意点としてはどんなことがあるでしょうか。以前お話しされていた、「一カ所だけ不自然にリフォームされている」など、「ここが事故物件ではないか」という発見ポイントはなにかありますか。

「リフォームするつもりはあるけれども、フルリフォームはやはりお金がかかる。なるべく安く済ませるために一部分だけのリフォームで済ませる。その結果として不自然に見える仕上がりになるというわけです。部分的にとは言えお金をかけているのです。

それに対して、アパートやマンションの名前を変えるという手口があります。これだとお金をかけずに、ただただ事件の痕跡をなくしたいだけなのだと感じずにはいられません。他にも、部屋番号を変えるというやり口もありますね。実際の例だと、事件現場の201号室が2A号室になっていました


――お金をかけずに安易に痕跡を消そうとしているということですね。そうすると、「住もうと思うマンションがどういった歴史を持っているのかと気になって『大島てる』で検索を行った。そうしたら『最近マンション名が変わった』という情報が出たという場合、ちょっと警戒はしたほうがいいかな、ということでしょうか。

「そうです。もちろんいくらでも例外はありますが。ただ、自然な発想として、何ら理由なく名称変更するということは考えにくいです。
大島てるが伝える「はじめての家選び」_画像

名称が変わる流れには大きく分けて2つあります。『事件がマンション名と共に報道されてしまった。検索されてもヒットしないようにしたい』というのが1つ。

もう1つは『オーナーチェンジに伴う名称変更』です。凄惨な殺人事件の発生後、気持ち悪がった住人たちが一斉に退去してしまい、家賃収入をあてにしていた大家がアパートローンを返済できなくなるという事例は多数あります。

そうするとアパートは人手に渡ってしまうわけです。大家が変わったのですから、アパート名が変わってもおかしくはありません。例えば、『佐藤荘』が『鈴木荘』になるといった感じに。

後者の方が深刻ですよね。佐藤さんはもう大家としてやっていけなくなったということを示唆しているわけですから」


――悲惨な事件すぎて借り手がつかずオーナーも逃げ出し、その結果マンション名が変わってしまったということですね。その他には、何かありますか。

「外観の色を変えるというテクニックもあります。例えば、静岡県沼津市のとある物件(『大島てる』上で物件を見ながら)、昔は灰色でしたが今ではこんな真っ赤になっています。私も現地調査の際に気づかず通り過ぎてしまったほどですし、効果はてきめんです。傾向としては派手な色に変わる場合が多いようです」

――そういった「外観の変化」も要注意ということですね。

前編では、「内見しないことの危険性」「内見で分かること」そして「リフォーム以外のポイントで事故物件の可能性があるかを確認する方法」について大島てるさんにお聞きしました。次回は「告知義務」などを中心にお話しいただきます。
大島てるが伝える「はじめての家選び」_画像
大島 てる(おおしま てる)
事故物件サイト管理人

平成17年9月に事故物件公示サイト「大島てる」を開設。 当初は東京23区のみを対象としていたが,その後徐々に対象エリアを拡大していき,現在では日本全国のみならず外国の事故物件をも対象としている。関連書籍に『大島てるが案内人 事故物件めぐりをしてきました』(彩図社)・『事故物件サイト・大島てるの絶対に借りてはいけない物件』(主婦の友インフォス情報社)。 ロフトプラスワンウェスト(大阪)での「事故物件ナイト」など,事故物件イベントが札幌・東京・名古屋・大阪で不定期開催中。事故物件サイトには英語版も存在。 その活動は米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』でも紹介された。

【番組情報】

大島てると松原タニシが事故物件を徹底的に語り尽くす『事故物件ラボ』がニコ生にて絶賛配信中
番組リンク: http://originalnews.nico/130427


  • twitter
  • line
  • facebook
  • はてブ
follow me
  • twitter
  • facebook
  • instagram

© Mynavi Corporationマイナビ賃貸