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引っ越しのプロに聞く!3月に「引っ越し難民」が生まれる理由と、回避するポイントは?

知識 2018/8/29
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例年、春先は引っ越しのハイシーズンだが、2018年は輪をかけてその傾向が強かったようだ。特に3月は、ピークを迎えた引っ越し需要に対して業者の供給がまったく追い付かず、「引っ越し難民」が続出したともいわれている。

希望の時期に引っ越しできないとなると、春からの新生活にも大きな影響を及ぼす。果たして、こうした傾向は来年以降も続くのだろうか? また、「難民」を回避するにはどうすれば? アップル引越センターの文字放想(もんじ・ゆきお)代表にうかがった。
文字さん アップル引越センター
【アップル引越センターとは?】創業12年。年間2万件近くの引っ越しを手掛ける、業界の中堅。自社メディア「りんごりくんの引越し総研」では一般にはよく分からない「引っ越し料金」の秘密について、詳しく解説している。


2018年は「引っ越し難民」が続出……。来年以降はどうなる?

そもそも、なぜ2018年は引っ越し難民が続出してしまったのか? 文字氏によれば、主な要因は2つ。近年の引っ越し業界の「人出不足」「働き方の変化」によるところが大きいという。

文字氏「地方も都心部も3月は人手不足に陥りがちなのですが、近年はさらにその傾向が強くなっています。昔はアルバイトスタッフの日給を上げることで人員を確保できたのですが、最近は難しいですね。集まっても経験不足だったりして、手際よく数をこなすことが難しいんです」

つまり、相変わらず根強い3月の引っ越し需要に対し、業者側の供給がどんどん減っているという現状があるようだ。では、なぜ供給不足なのか?

文字氏「近年の働き方改革の影響は少なくないと思います。もともと、引っ越し業界にはブラック体質が蔓延していました。特に小規模な会社だと、繁忙期は朝の7時から深夜0時までギチギチに依頼を詰め込んでしまうところも少なくない。当人たちがそのぶん給料がもらえるからいいと言っても、やはり社会的には問題がありますよね。それが、最近はやや社会通念寄りになりつつあるということだと思います」

人手不足に加えて、そうした労働時間見直しの観点などから、現在は繁忙期でも、閑散期でも、無理なくこなせる件数しか依頼を受けない会社が増えているというのだ。そうなると引っ越し会社の売上も減るため、価格にも影響が出てくる。

文字氏「人数も足りていない、また、もし同じ人数を確保できても、労働時間を考慮すると受けられる件数が限られてくる。こなせる数が減ったとあれば、引っ越し費用の単価を上げざるを得ない。今年、3月のピーク時に値段が高騰したのは、そういう事情もあります」

なお、この傾向は来年以降も続くと文字氏。それどころか「もっとひどくなるかもしれません」とのこと。
アップル引越センター

「3月更新」のループを脱し、お得な時期に引っ越しを

そもそも、3月に引っ越しが集中してしまう原因は、日本社会ならではのルールや慣習によるものだ。たとえば、進学や就職、転勤、さらには新築マンションの竣工もこの時期に集中する。こうした構造を変えることはなかなか難しいため、個人で引っ越しの時期を少しずらすなどの対策をとることが望ましい。

文字氏「賃貸の場合は、更新月に合わせて引っ越しをする方が多いですよね。つまり最初の家を3月に契約した人は、ずっと3月に引っ越し続けるなんてケースが出てくるわけです。せっかく払った更新料のことを考えると、契約期間いっぱいまで住まないのは損だと感じてしまうかもしれません。でも、3月に跳ね上がる引っ越し代のことを考えたら、むしろ契約期間を余らせてでも早めに引っ越したほうがお得だと思います」

確かに、一人暮らしで自分の意思だけで引っ越し時期を決められるのであれば、更新時期を律儀に待つ必要はないのかもしれない。一度ずらせば、3月引っ越しの無限ループから抜け出せ、その後は自動的に閑散期に引っ越しできるようになるのだ。

では、何月頃に引っ越すのがベストなのだろうか?

6月くらいがいいと思います。ちょうどいい物件が出始めて、ライバルも少ない狙い目の時期です。6月に引っ越せば、次の更新は6月末。この時期は引っ越し費用も安いですし、不動産屋も時間的・精神的にゆとりがあるので物件自体もじっくり探せるのではないでしょうか。また、6月以外の月でも最も混む“繁忙期”以外は件数が減るため、赤字覚悟で価格をさげている会社もあります」

文字氏いわく、繁忙期と閑散期の費用は「業者によりますが2倍から2.5倍ほども違います」とのこと。残り数か月や半年ぶんの更新料をケチったばかりに、引っ越し代でかえって損してしまう恐れもある。これから何度も引っ越しをする可能性があるなら、なおさら「3月更新のループ」は早めに断ち切ってしまったほうが賢明かもしれない。


さらにお得に引っ越したいなら「ヒマな会社」を探そう

ちなみに、より安く引っ越したいなら「ヒマな引っ越し会社」を探すのがいいという。ストレートに「ヒマですか?」と聞くのはさすがに気が引けるが、文字さんによれば引っ越し会社の詰まり具合をスムーズに探るコツがあるようだ。

「引っ越し会社に電話をすると、向こうはマニュアルに沿って色々と質問してくると思います。全てに応じていると時間の無駄ですし、向こうのペースで話が進んでしまいますので、いったんそこを制し『希望日時』『場所』『荷物の量(必要なトラックのサイズ)』だけ伝えて、おおよその金額を聞いてみてください。会社によっては、質問に全て答えないと金額を出せないと言われるかもしれませんが、だいたいは教えてくれるはずです。その際、他社ではこの条件で2万5000円って言われたんですけど、御社ではいくらくらいですか? と付け加えるといいと思います。暇な会社であれば『うちはもっと安くできますよ』と答えるでしょうし、その反応、がっつき具合で何となく察することはできるんじゃないでしょうか」

逆に同じ荷物量でも見積りが高い会社は、スケジュールが順調に埋まっていて無理に新規の引っ越しを取る必要がない、あるいは「やりたくない」ケースも考えられるという。

「たとえばその日すでに東京都心での引っ越し予約が数件入っているとしたら、新たに茨城への引っ越しの申し込みが入ってもルート的に非効率ですよね。引っ越し会社によっては、無理してやる必要がない案件と考えるかもしれません。ですので、必然的に見積りは高くなります」
どうやら引っ越し代は、荷物の量より時期や引っ越し会社の状況に大きく左右されるようだ。今回プロが明かしてくれたヒントを参考に、少しでもお得に引っ越すための計画を練ってみてはいかがだろうか?

【取材協力】
アップル引越センター
https://www.apple-hikkoshi.co.jp/
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