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保存か解体かで揺れる「中銀カプセルタワービル」を応援したい!

街・エリア 2018/12/3
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東京、浜離宮の近くに一風変わった外観のビルがあるのをご存知だろうか。
ご存知ない方には「歴史のあるビルだな」で通り過ぎてしまうかもしれないこのビルは、建築家の黒川紀章氏が設計した「中銀(なかぎん)カプセルタワービル」だ。

黒川紀章氏といえば、1979年に日本初(同時に世界初)のカプセルホテルの設計や、豊田スタジアム、国立新美術館などの設計、また海外の作品も数多くある国際的にも著名な建築家である。
黒川氏が「メタボリズム」の設計思想を表現した、交換可能な140カプセルから成り立つ築46年のこのビルが現在、保存か解体かで揺れている。

存続のためにさまざまな活動を行っている「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」代表の前田達之氏に話を聞いた。
カプセルを積み重ねた独特の外観 カプセルを積み重ねた独特の外観
「゜」や「゛」が剥がれ落ち、歴史を感じる 「゜」や「゛」が剥がれ落ち、歴史を感じる
──まずはタワービル全体のことをお伺いします。こちらはどんな用途での利用が多かったのでしょうか?

「当初はビジネスユースとしての利用目的で使われていたようです。郊外の自宅には週末だけ帰り、ウィークデイはここで寝泊りしながら都心で働く、高度経済成長期の時代ですね。通勤の時間を惜しんでまで仕事にまい進していたあの時代です(笑)。各部屋にキッチンはなく、フロントにコンシェルジュがいたという話も聞いています」

──現在は、どういった方がいらっしゃるのですか?

「現在はお住まいの方が20~25カプセル、オフィスとして利用されているのが40カプセル、あとはセカンドハウスのような趣味を楽しむ部屋として使われる方が増えていますね」

──みなさんカプセルのオーナーさんなのですか?

「お住まいの方は賃貸が多いです。ごくたまにですが賃貸物件として出ることがあります。セカンドハウスのような使い方をされるのはやはりご自分がオーナーで、フルリノベーションをし、100インチモニターで映画を楽しんだり、楽器を弾くためだけのお部屋にしている方もいらっしゃいます」
オリジナルカプセルの室内 オリジナルカプセルの室内
室内から玄関を臨む / ユニットバス 室内から玄関を臨む / ユニットバス
ユニットバス内も曲線が特徴的なデザイン ユニットバス内も曲線が特徴的なデザイン
──次に「保存・再生プロジェクト」についてお伺いします。このプロジェクトでは3つの活動を行ってるんですよね。

「はい。活動内容は、
1)建物存続のために、カプセルのオーナーと管理組合に対し、適切な修繕活動を促進します
2)カプセルの価値を高めるために、新たな使い方を提案します
3)建物を周知するために、広報活動に注力します
の3つになります」

──カプセルファンドを展開されていたり、電子署名で署名を集めたり、マンスリーカプセル(1か月からの賃貸)も大変反響があると聞いています。見学ツアーも毎回大人気だとか。

「おかげさまでファンドも目標額に届きそうです。
電子署名は東京都が海外観光客誘致の動画作成にこのビルをロケ地として使用していますので、都知事あての署名を集めてみようと思ったのがきっかけです。
見学ツアーは通常のツアーより英語ツアーの申し込みのほうが多くなっているのが現状ですね。海外の方からの注目はかなり集まっているようです。
マンスリーカプセルは「オリジナルカプセル」と無印良品さんがコーディネートした「無印カプセル」があり、「無印カプセル」は現在抽選でのご案内になっています」

──「オリジナルカプセル」も魅力的ですが、「無印カプセル」もシンプルさがこのビルとマッチしていて素敵ですね。

「ありがとうございます。実はご自分のカプセルを無印良品でコーディネートされているオーナーさんがいらっしゃって、それがとても素敵だったんです。その方の室内を撮影させていただき、無印さんにお見せしてこのアイデアをお伝えしたところ快諾していただきました。通常、企業さんが求める見返りのようなものもなく、この本棚にある本も全て無印さんのコーディネートによるものです。カプセルの床面積は約10平方メートルのコンパクトなつくりになっているのですが、そこは無印さんの商品ならではの「椅子としても使えるベッドサイドテーブル」や「椅子としても使える収納BOX」などで6人くらいならパーティーも可能です」
無印良品がコーディネートしたコンパクトかつ機能的な室内 無印良品がコーディネートしたコンパクトかつ機能的な室内
必要最小限なのにぬくもりが感じられるコーディネートはさすが無印良品 必要最小限なのにぬくもりが感じられるコーディネートはさすが無印良品
本1冊にいたるまで無印良品のこだわりが 本1冊にいたるまで無印良品のこだわりが
ベッドサイドテーブルはチェアとしての使用も ベッドサイドテーブルはチェアとしての使用も
──ビルの存続はもちろんですが、カプセルの交換も視野に入れてると聞きました。失礼な質問だとは思いますが、それは可能ですか?

「もちろんです。それこそがメタボリズム(新陳代謝)思想ですからね。コアの部分に耐震補強を施し、カプセルを交換しながらの存続は可能ですし、そうしながら保存再生させていく価値があると思っています」
カプセル一つひとつが交換可能 カプセル一つひとつが交換可能
海外の注目も高く、この日も大勢の観光客が 海外の注目も高く、この日も大勢の観光客が
1972年から見た近未来デザインのようだが、2018年の今のものでもないデザイン。オリジナルカプセルも魅力だが、無印コラボのような新しいコーディネートでもしっくりくる室内空間。
現在、給湯器が壊れお湯がでないためユニットバス内のシャワーは使用不可。1階にある共有部分に設置されたシャワーブースを使用するしかないらしい。古いものを大切にするということは不便さえ楽しむということかもしれない。
気持ちに余裕がなく、日々の生活のことしか考えられない毎日でも、ちょっとだけこのプロジェクトのことを知っていただけたらと思う。取り壊してしまった建物はもう二度と元には戻らないのだから。

中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト
https://www.nakagincapsuletower.com/
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